ITパスポートの計算問題|公式・単位・解き方を練習例で確認

公式を探す前に「何を、どの単位で求めるか」を決めると、式を立てる順番が見えます。ここでは4つの基礎的な計算を、数字の少ない例で練習します。例題はkakoloopが作成したオリジナルで、IPAの過去問ではありません。

更新日:2026-10-07

計算を始める前に、求める量と条件を書く

問題文を読んだら、数字だけを抜き出す前に、求めるものに「円」「個」「秒」「%」を添えます。次に、同じ期間の数値か、割合の基準は何か、切り上げなどの指定があるかを確認します。

  1. 求める量を書く。 売上高なのか、販売個数なのかを区別します。
  2. 条件をそろえる。 円と万円、時間と秒、ビットとバイトを混ぜません。
  3. 意味の分かる式を立てる。 計算後は単位と、結果がありそうな大きさかを確かめます。

IPAの現行シラバスVer.6.5には、会計・財務の計算や、システムの信頼性に関する項目があります。以下は基礎を練習するために選んだ例であり、計算問題の全範囲や出題頻度を示すものではありません。範囲の出典:IPA:シラバスVer.6.5(本文7・43ページ)。

割合:分母が何かを、式より先に決める

基本は、割合 = 比べる量 ÷ 基準の量です。百分率で答えるときは、その結果に100を掛けます。

オリジナル練習例: 作業時間が80分から60分になりました。削減率は何%でしょうか。基準は変更前の80分、減った量は20分なので、(80 − 60) ÷ 80 × 100 = 25%です。60で割ると、別の基準で比較した割合になります。

また、利用率が40%から50%になった場合、差は10ポイントですが、元の40%に対する増加率は (50 − 40) ÷ 40 × 100 = 25%です。「何ポイント増えたか」と「何%増えたか」を読み分けます。

確認するときは、求めた削減率を元の80分に戻し、80 × (1 − 0.25) = 60分になるかを試します。

通信時間:バイトをビットに直してから割る

通信速度がbit/sで与えられたら、データ量もbitにそろえます。1バイト = 8ビットなので、転送時間は「データ量(bit)÷ 通信速度(bit/s)」で秒になります。定義はビットとバイトでも確認できます。

オリジナル練習例: 10MBのファイルを20Mbit/sで送ります。ここでは1MB = 1,000,000バイト、1Mbit = 1,000,000ビットとし、通信速度は一定、通信制御の付加データや待ち時間は無視します。

10MB × 8 = 80Mbit、80Mbit ÷ 20Mbit/s = 4秒です。

10 ÷ 20 = 0.5秒としてしまう場合は、バイトとビットが混ざっています。問題に1K = 1,024などの指定があれば、その指定に従って換算します。単位をそろえたら、ネットワーク分野の過去問で別の条件にも取り組んでみましょう。

損益分岐点:1個売ると、固定費にいくら回せるか

同じ期間について、販売単価をp円、1個当たりの変動費をv円、固定費をF円、販売個数をx個とすると、利益 = (p − v) × x − Fです。p > vで、固定費・単価・1個当たり変動費が変わらない条件なら、利益が0になる販売個数は F ÷ (p − v) で求められます。

オリジナル練習例: 販売単価1,200円、1個当たり変動費700円、月の固定費100,000円とします。1個当たり500円が固定費を回収する分になるので、100,000 ÷ 500 = 200個。損益分岐点売上高は200 × 1,200 = 240,000円です。

売上高240,000円から、変動費200 × 700 = 140,000円と固定費100,000円を引くと、利益が0になることを確認できます。個数が小数になり「赤字にならない最少個数」を問われたら、個数を切り上げます。

損益分岐点の用語解説で定義を確認したら、令和7年度・問34で「利益を増やすための追加販売個数」という別の聞き方を試せます。関連問題は企業活動分野にあります。

稼働率:対象時間をそろえ、構成の条件を読む

対象とする時間のうち正常に使えた時間の割合を求めるなら、稼働率 = 正常に使えた時間 ÷ 対象時間です。

オリジナル練習例: 対象時間が100時間で、そのうち停止が2時間なら、正常に使えたのは98時間。98 ÷ 100 = 0.98(98%)です。停止時間の割合は1 − 0.98 = 0.02になります。対象時間が営業時間だけなのか、24時間なのかで分母は変わります。

複数装置では、動作条件も確かめます。2台の稼働・停止が独立で、どちらも稼働率0.9の場合を考えます。両方が動かないと使えない構成なら0.9 × 0.9 = 0.81。どちらか1台が動けば使え、切替えの失敗などを考えない構成なら1 − (1 − 0.9) × (1 − 0.9) = 0.99です。

同じ電源の故障で同時に止まるなど、独立とみなせない条件にこの積をそのまま使うことはできません。稼働率の用語解説で意味を確認し、令和6年度・問38で対象となる曜日と時間を読み取る練習をしてみてください。

公式を見ずに、一行目の式を作れるか試す

例題を読み終えたら、解答を隠して「最初に何をそろえるか」と「一行目の式」だけを書きます。止まった場所を次のように分けると、復習が具体的になります。

止まった場所次に確認すること
どの数字を使うか分からない求める量、対象期間、不要な条件
掛け算か割り算か分からない単位を付けて、求める単位が残るか
割合を間違えた分母が基準の量になっているか
答えの大きさがおかしい%と小数、円と万円、ビットとバイト
小数の個数が出た「少なくとも」など端数処理を決める条件

練習順は編集上の提案です。苦手な式を一つ選び、学習アプリで問題を解く際に、答えを見る前に式を立ててみましょう。間違えた後の見直しは復習方法へ、年度の選び方は過去問の進め方へ進めます。

よくある質問

Q公式は全部暗記した方がよいですか?

まず、式の各項が何を表すかと、使える条件を説明してみます。単位をそろえる、基準を決める、利益が0になる式を立てる、といった手順も一緒に練習してください。この記事の4つの題材だけで全範囲を網羅するわけではありません。

Q計算問題が苦手なので、すべて捨ててもよいですか?

計算問題を避ければ合格できるとは判断できません。まず小さな数字の例で、用語、条件の読み取り、立式、計算のどこが難しいかを見つけます。初めから一律に捨てるより、自分で式を立てられる題材を増やす方法を試せます。

Qこのページの練習例は、実際の過去問ですか?

本文で「オリジナル練習例」と示したものはkakoloopが作成した例で、IPAの過去問ではありません。実際の公開問題は年度と問番号を付けたリンク先で、原題と出典を確認できます。

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この記事の内容を、実際の問題で確かめましょう。

出典・確認日

編集・確認:kakoloop · 編集方針